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14 views • December 15, 2019

【動画ニュース】米国でTikTokに対する集団訴訟 ユーザーデータを中国に転送した疑い

中国企業が運営するモバイル向け短編動画配信プラットフォームTikTokに対する集団訴訟が米国で起こされました。訴状によると、TikTokがユーザーの同意のないままユーザーデータを大量に収集して中国のサーバーに送っていたことが指摘されています。 100人を超えるTikTokユーザーが11月27日、米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で、TikTokとその親会社のバイトダンスを始めとする四つの関連企業に対する集団訴訟を起こしました。 訴えによると、バイトダンス社はTikTokを使ってユーザーの位置情報、年齢、個人情報、電話番号、アドレス帳データ、性別、ブラウザ履歴の記録、携帯端末のシリアル番号やIPアドレスなどをひそかに入手して中国のサーバーに送っていたとの疑いがもたれています。 今回の集団訴訟の代表で大学生のミスティ・ホンさんは、今年の春にTikTokアプリをダウンロードしましたが、アカウントの作成は行っていませんでした。しかし数か月後、ホンさんはTikTokに、自分の電話番号を使って勝手にアカウントが作成されており、さらに自分の個人情報ファイルまでも作成されていることに気付きました。このファイルには、ホンさんが過去に作成はしたものの公開はしていなかった動画から収集されたとみられる、顔のスキャン情報などのホンさんを特定できる個人識別情報が含まれていました。 訴状には米国のセキュリティ担当者が今年4月、TikTokが海外ユーザーのデータを中国国内のサーバー2台に転送していることを発見したと記されています。これによりTikTokに対し、ホンさんをはじめとする100人以上のユーザーの個人情報を中国大陸に送信したとして、五百万ドル(約5億4680万円)以上の賠償金の支払いを求める訴訟が起こされました。 ワシントンの人権派弁護士、葉寧氏 「TikTokに対するこの集団訴訟は非常に妥当なものだと感じている。悪徳業者を野放しにしてしまったら、米国が尊重し保護している情報の自由や個人のプライバシーが陰で取引に使われ、中国(中共)政府がすきあらばと行っている個人情報の収集という諜報行為がさらにまかり通るようになってしまうからだ」 訴状によると、中国の検索エンジン百度のソースコードがTikTokのアプリケーションに組み込まれているほか、中国の広告サービス業者(Igexin )のコードも組み込まれていました。しかしセキュリティ研究者は2017年の段階で、こうしたアプリを使用することで、開発者がユーザーのスマートフォンにスパイウェアをインストールできることを突き止めています。 中国の元ジャーナリストでネットワークエンジニアの周曙光氏 「中国では罰せられることのないこうした手段は、米国の法律に照らせば罰せられる。いうなれば、法律を重んじる場所にで、詐欺や違約を行っているのに等しい。今回の集団訴訟で原告が勝訴したら、TikTokは技術面で封じ込められることになる」 米国政府はTikTokに対し国家安全調査を進めています。TikTokはこのほど、米国ユーザーのすべての個人データは米国国内で保存され、シンガポールでバックアップされているとの声明を発しました。さらに同社は、中国政府はこうしたデータを取得する権限を有しておらず、中国関連の敏感な内容も削除されないと強調しました。 しかし米ニュージャージー州の17歳のユーザーが11月25日にTikTokで中共がウイグル人に対しておこなっている弾圧政策を批判したところ、その日のうちにアカウントが封鎖されました。ワシントンポストも以前に、TikTokは天安門、チベット、台湾独立や法輪功関連の動画を削除しているほか、香港の反送中運動関連の情報も見当たらないと報じています。 TikTokは海外市場を席巻しており、あるデータによると2018年上半期(かみはんき)にTikTokが海外から1億回以上ダウンロードされ、ダウンロード回数が世界一になりました。TikTokは米国だけで2650万人ものアクティブユーザーを有し、その6割が16歳から24歳の若い世代です。 中国の元ジャーナリストでネットワークエンジニアの周曙光(しゅう・しょこう)さんは、個人情報のほかにも、海外ユーザーはTikTokの無形の浸透を防ぐ必要があると述べています。 中国の元ジャーナリストでネットワークエンジニアの周曙光氏 「中共の洗脳方法には二つのレベルがある。一つは彼らが望まないものや、人々に考えさせたくないことを削除することで、もう一つは世論を操作すること、あるいは人々を『娯楽死』させること、人々がより深い問題について考えないようにすることだ。TikTokも中共が人々を洗脳するためのルートの一つで、これらの娯楽性の高いコンテンツの提供と連携して、人々の思考をストップさせる」 ボイス・オブ・アメリカは経済学者、瀋度氏の発言「TikTok現象は実のところ独裁政権で生まれた意外なソフトパワーである」を引用し、TikTokはウイルスと同じように伝染し、『娯楽死』を思わせる社会の雰囲気を作っていると指摘しています。
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