We use cookies to understand how you use our site and to improve your experience. This includes personalizing content and advertising. By continuing to use our site, you accept our use of Cookies, revised Privacy Policy and Terms of Use.
  • 8 views
  • Edit

中国当局がダムのゆがみを認めるも「設計の許容範囲内」専門家「政府は検証と説明を」

2019-07-15 15:37
変形した三峡ダムのグーグル衛星画像をめぐり、中国人の間でダムの安全性に関する議論が沸き起こっています。ドイツ在住の水利専門家、王維洛(おう・いらく)氏は、三峡ダム工事の検収作業はまだ完了しておらず、中国当局はこのダムの安全性と品質問題について、中国人に説明しなければならないと語っています。 7月1日、アカウント名「冷山」さんがツイッターに、「三峡ダムが変形している。ひとたび決壊したら中国人の半分が塗炭の苦しみにおちいる」と投稿しました。 この人物はツイッターにグーグルマップによる三峡ダムの比較写真を貼り付けました。左側の写真は三峡ダムがまっすぐな様子が撮影されていますが、右側の写真のダムは明らかに変形しています。 この情報はSNSですぐさま広がり、三峡ダムの安全性を憂慮する声がつぎつぎと上がりました。 人民日報や中央電視台などの官製メディアは直ちにこれを否定し、ゆがみはグーグルマップの衛星画像アルゴリズムの誤差によって生じたもので、三峡ダムは変形していないと発表しました。続いて7月4日、国営企業の中国航天科技集団は人工衛星「高分六号」で撮影された画像を公開し、三峡ダムには何の問題もないと発表しました。環球時報はさらに、ネットユーザー「冷山」は反中国分子だと報じました。 一方「冷山」さんは7月5日、新たに3D衛星画像を貼り付けて、三峡ダムの変形はグーグルマップの誤差によるものではないと反論しました。 あるネットユーザーは、三峡ダムの変形が画像の誤差のせいだとしたら、ダム周辺の多くの道路が変形していないのはなぜだと疑問を呈しています。 7月6日、中国国務院に隷属する長江三峡集団公司は、三峡ダムにはダム基盤がずれるという問題が存在することを認めました。しかしその一方で「堤体の変形部分は弾性状態に置かれており、各指標はいずれも設計の許容範囲内にある」とも発表しました。 官製メディアが一転してダムのずれを認めたことにより、ネットユーザーの疑念が高まる結果となりました。「結局のところ、三峡ダムは変形しているのか」という人々の疑念は払しょくされていません。 長年にわたり三峡ダム問題を注視してきたドイツ在住の水利専門家、王維洛氏は7月7日、インターネット中国語メディア『議報』に、三峡ダムは今も変形し、ずれているとする一文を発表しました。 ドイツ在住の水利専門家 王維洛氏 「三峡ダムは数十個の独立したコンクリートブロックにより構成されており、(幅の)狭いものは13メートル未満、広いものは45メートルになる。各ダムブロックの自重を利用して基礎岩盤に設置され、安定を維持している。水圧と温度の影響を受けると、ダムブロックにはさまざまな変形とずれが生じうる。これが俗に『ダムが動いている』と言われるものだ」 グーグルマップの画像では、三峡ダムの変形部分は小さな区間では直線になっていますが、全体をみると直線ではなくなっています。 ドイツ在住の水利専門家 王維洛氏 「これが光線の作用によるものでないなら、もしこの区間のダムが本当にこのようになっているのなら、ダムのむらのある動きは非常に深刻だ。もし大きな洪水が発生してダムが押され、あるダムブロックが受ける力が大きくて別のダムブロックの部分が受ける力が小さかったとしたら、ダムに大きなゆがみが生じてダムブロックの間から水が漏れ、水が中から流れ出す」 三峡ダム建設プロジェクトは、江沢民が1992年に学界と土木建築業界の反対を押し切るかたちで建設が決定されました。しかし、このプロジェクトの科学性と土木品質については長年にわたり疑問の声が投げかけられています。習近平政権になっても、いまだに三峡ダムの検証を行おうとしないのは、ダムによって生じる可能性のある災害について非難されたくないからだとも考えられています。 ドイツ在住の水利専門家 王維洛氏 「三峡ダムプロジェクトは設計、施工、監督などを一つの機関が請け負っている。張光斗は当時の検証グループのグループ長だったが、彼自身が記者に対し、三峡ダムの施工品質は非常によいわけではないと語っている。彼がこう言ったのは国の名誉のためだ。彼は三峡ダムの品質がよくないとは言えなかった」 また、三峡ダムの発電事業は長江電力株式公司が行っていますが、ダムの所有権は「全国民にある」とされています。よってもし問題が生じたら、補修費用は全国民が負担することになります。 ドイツ在住の水利専門家 王維洛氏 「ダムの発電による利益は国民に還元されないが、何らかのリスクがある場合は国民が負うことになる。修繕費は建設費よりも高くつく。このダムの建設費用についてジャーナリストの戴晴氏は5000億元(約7兆8564億円)だと言っており、中国国家審計署は約2200億元(約3兆4568億円)だと言っている。もし今ダムを大改修するなら、4~5000億元(約6億2851~7兆8564億円)が必要だろう。その場合、財政部は改めて特別税を徴収して庶民の利益を奪うだろう」 王維洛氏は「三峡ダムの安全性問題を人々が議論することには大きな意義がある。事態は重大だ。中国政府は中国人に説明する必要がある」と指摘しています。