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貿易戦争の打撃にあえぐ中国の中小企業「体制が変わらなければ…」

2019-09-16 15:19
米中貿易戦争がさらにヒートアップし、中国経済は大きな打撃をこうむっています。庶民の生活はどのような影響を受けているのでしょうか。 8月23日にトランプ大統領は「米国はおろかにも長年にわたって中国に数兆ドルも負けており、中国は毎年1000億ドル以上もの知的財産権を盗んでいる」とツイートしました。大統領はさらに、中国製の麻薬、フェンタニルによって毎年10万人もの米国人が死亡しているとも述べています。 トランプ大統領は続いて、10月1日から2500億ドル(約26兆円)相当の中国製品に科している関税を25%から30%に引き上げるともツイートしました(のちに2週間延長)。9月1日から、別途3000億ドル(約32兆円)相当の中国製品に科す関税も、10%から15%に改められました。 トランプ大統領はツイッターでさらに「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長と習近平国家主席。我々にとってより大きな敵はどっちだ?」との問いを投げかけました。 トランプ大統領は以前から習近平国家主席を「友人」と称し、時に習主席の指導力を評価してきましたが、トランプ大統領は初めて「敵」という言葉を使いました。このことは、米中貿易戦争がさらに激化して金融戦争が勃発し、人民元が米ドル決済システムから追い出される可能性を示唆しているのではないかとの見方もあります。 中国の民間企業家、文瑞さん 「われわれ中小企業は、自分の観点からこの問題を考えるしかない。現時点で、米中貿易戦争による衝撃が国内に波及して衝撃波となっており、必ず履歴効果をもたらす。今日課税されて明日に問題が出てくるわけではないが、生じる影響は大きくなる」 中国の民間企業家、文瑞(ぶんずい)さんは、大手企業や国家機関と取引しています。文さんは、近ごろ大企業の市場は思わしくなく、彼らの購入量が減少してサービスニーズも減っていると感じています。また、政府機関の予算も縮小され、以前のような浪費が行われなくなり、必需品しか購入されなくなったことも明かしています。 実際に、米中貿易戦争は中国の製造業に大きな衝撃を与え、多くの有名企業がベトナムやマレーシア、インドなどに移転しています。これには韓国のサムスンやLG、台湾のフォックスコン、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズといった外資系企業のほか、華天科技(かてんかぎ)、蘇州固得、ゴアテックなどの中国企業も含まれています。 情報によると、世界50カ国に買い付けネットワークを有する製品サプライヤーの利豊(Li & Fung)(りほう)も、顧客の「中国撤退」要求にいかに対処するかについて積極的に説明しています。 同時に、中国企業の倒産やリストラもありふれたものになっています。 中国の自動車販売台数は13カ月連続で減少し、中仏合資の神龍(しんりゅう)自動車は年末までに数千人のリストラを予定しています。自動車サプライヤーの国威科技(こくいかぎ)は資金チェーンに問題が生じたため、破産が決定し、従業員5000人分の6か月分の給料を未払いにしているほか、フォルクスワーゲン、長城(GWM)、海馬(HAIMA はいま)、東南(SEM)、衆泰、吉利(ジーリー)などの自動車メーカー14社を生産停止に追い込みました。 湖南省の飲食店経営者、周さんは「現在、社会経済全体が停滞し、各業界の信用度も下がり、不動産市場のバブル崩壊が近づいているうえ、自動車業界も飽和状態になりつつある。庶民が貿易戦争で支払う代償が増え続け、インフレが庶民の生活コストを引き上げ、支出が増加し、圧力も高まり、生活レベルが下がりつつある。例えば、豚肉の価格は昨年の2倍に跳ね上がり、野菜の価格も上がっている」と語っています。 湖南省の飲食店経営者、周さん 「飲食業界でも消費される額が減り、現在の失業率も高い。平均収入とインフレ率を比較すると、人々の収入は目減りしている」 とはいえ文瑞さんは、中国の経済停滞は必然であり、米国が決定的な要素ではないと考えています。 文瑞さん 「今回の経済低迷は本質的には、米国人との貿易戦争が原因ではない。米国との貿易戦は、中国経済の下降をさらに悪化させただけだ。中国の経済体制と政治体制は同じで、不公平で正義のない体制だ。長続きしないのは当たり前だ」 文瑞さんは「オバマ前大統領やそれ以前の大統領は中国に友好的だったが、中国政府は便宜を独占し、米国に感謝も示していない。トランプ大統領が中国に便宜の独占や恩知らずな行動をさせなかったために衝突が生じた」と分析しています。 文瑞さんは、中国の体制が変わらず、政治構造も変わらなければ経済も持続的な発展ができず、他国との衝突も緩和されないと認識しています。