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中国企業のデフォルト急増 専門家「元凶は景気刺激策」

2019-02-23 08:03
中国企業の債務不履行(デフォルト)が急増しています。このほど、中国民営投資最大手、中国民生投資集団(CMIG、中民投)がデフォルトに陥ったほか、山東省では民営企業28社が債務整理を行っていると報じられました。専門家は、中国当局の景気刺激策が、民営企業デフォルト増加の元凶であると指摘しています。 ロイター通信の2月12日の報道によると、山東省では少なくとも民営企業28社がデフォルトに陥ったため、債務整理を進めています。うち2社は、「2018年中国民営企業上位 500 社」にランクインした有力企業でした。 同日、中国メディアからも、中国民生投資集団が発行する社債「17中民G1」が旧正月連休明けの11日、30%も下落したと報じられました。 1月29日に満期日を迎えた総額30億元、日本円で約486億円の人民元建て債券の返済が滞ったことが引き金となったとのことです。 報道によると、2月12日の時点で「17中民G1」は56%も暴落し、また同銘柄の相場も額面金額より約64%下回りました。 北京師範大学MBA指導教官 段紹譯氏 「一つは、米中貿易戦による一連の連鎖反応。もう一つは、中国経済の歪んだ発展モデルによる深刻なバブル。不動産バブルが弾けつつあるため、不動産関連産業の不振を招いている」 北京師範大学MBA指導教官、段紹譯(だん・しょうやく)さんは、民営企業のデフォルト増加のもう一つ原因は、中国の国有銀行が収益の少ない国営企業にばかり融資を続けているため、経済危機を招き、民営企業が経営難に陥ったと指摘します。 公開資料によると、中国民生投資集団は2014年、中国当局の中華全国工商業聯合会(全国工商聯)が主導し、国務院の批准を経て、中国民営企業大手59社からの出資を受けて設立されました。中国で唯一、国の背景を持つ民営投資企業であり、再生エネルギー産業やメディカル・ヘルスケア、ゼネラル・アビエーション、保険、ファイナンスリース、情報管理、投資銀行など幅広い分野への投資を手掛けています。 中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利氏 「中国民生投資集団は半分国営と言える。全国工商聯は、国内民営企業を管轄する政府機関で、中国共産党の指導下にある。つまり党管理下の企業であり、経営破綻すると、中国の民営企業に計り知れない結果をもたらすだろう」 設立からわずか4年間で、中国民生投資集団の総資産は560億元(約9223億円)から3109億元(約5兆1205億円)に急増。そのうち、負債規模は2320億元、日本円で約3兆8210億円に達し、2015年末から2018年半ばまでに135%増加しています。このような状況にも関わらず、中国の格付け会社大手、上海ブリリアンス(新世紀資信評估投資服務有限公司)は昨年末、AAAの信用格付けを付与しました。 中国金融シンクタンクの研究員、鞏勝利(きょう・しょうり)さんは、中国当局が景気刺激のためにインフラ投資や不動産投資を促し、信用拡大を行ってきたことが、企業の債務急増につながったと指摘します。いっぽう、中国国務院が交通運輸システムへの15兆元の投入を許可したことが伝わり、さらに業界の不安を招いています。 中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利氏 「厄介なのは、中国経済の3大けん引力である投資、個人消費と輸出が全部ダメになり、唯一できることは貨幣発行だが、15兆元は冗談ではない。1年分の財政収入をも超える額だ。去年の財政収入が12兆元で。GDPは90兆元超だった。つまり、利益率が非常に低く、財政以外にも膨大な資本が投入されている」 鞏勝利さんは、2008年に景気刺激のために投入した4兆元によって、中国では各産業の生産能力過剰をもたらしたが、再度15兆元を投入すれば、中国経済は危機的状況に陥ると指摘します。 同時に中国当局は、民営企業への融資を、景気刺激の一環として推し進めています。 いっぽう、民営企業が融資を獲得するには、巨額の担保品または他社の担保が必要なため、民営企業間で複雑かつ膨大な相互保証のネットワークが出来上がっています。どれか一つでもデフォルトに陥ると、様々な要素が重なり、金融システム全体を破壊しかねないのです。